地方の人が思い描く東京ってどんな印象なのだろう。
立ち並ぶ高層ビル、人ごみとスクランブル交差点、きらびやかなネオン、絶え間なく行きかう車、秒刻みで走る電車...。
ドラマの中に描かれている東京はそんな感じかな。
実際に都心はそうかもしれない。
伊豆諸島や小笠原諸島も東京都に属するわけだが、そこは案外忘れられているのだろうか。
東京都内と言った場合、該当するのは23区のみで、都下である多摩地区や武蔵野地区は含まれないとの説もあり、そうすると以下の文面は的を得ていない気もするが...。
とりあえず東京カーストな話は置いておこう。
昭和40年代、東京の武蔵野地区で生まれ育った。
森や林に囲まれた町には小川が流れ、キャベツ畑にはモンシロチョウが飛んでいた。
セミやカナブンやクワガタ、ザリガニやメダカが友達だった。
宮崎駿の「となりのトトロ」の世界が近いかもしれない。
高度成長期、地方から人の流入が加速した武蔵野地区は東京のベッドタウンへと変貌して行った。
森や林は伐採されマンションが立ち並び、キャベツ畑は住宅街へと変わり、護岸整備された川にはザリガニもメダカもいなくなった。
そんな折、ある飲料品のCMで、上京した息子が地方の親と対話するシーンにこんな文言が使われた。
「お父さん、東京には何でもあるようで、何にもないんですよ。」
この言葉に嫌悪感を抱いた東京人は自分だけではないだろう。
たかがCMではあるけれど、そこまで言うなら田舎へ帰ったらよかろうに。
森や林や川を返してくれと言いたい気持ちにさせられた。
東京はそんなところではないよ。
勝手なイメージを作り上げないでくれ。
ここをふるさととしてのんびり暮らしている人もいるのだよ。
僕らの生まれ育った武蔵野地区は変わり果ててしまったけど、あの頃の原風景はまだ多摩地区にある。
幸いにも、うちの子供たちには自分の子供時代と同じような経験をさせることができた。
とは言え、このあたりも住宅化が着実に進んではいるのだが...。
この先、人口も激減するだろうし、住宅なんてそんなにいらないでしょう。
もうそろそろ自然に手をつけるのは止めませんか。
ASAHI PENTAX SV, Super-TAKUMAR 28mm F3.5
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